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Fargate vs ECS AWSコンテナサービス

AWSコンテナサービスを紹介

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IT分野の新たなテクノロジーはプログラム環境を大きく変化させ、革新的な変革をもたらしています。とりわけコンテナ化の仕組みにより、重要なライブラリやプログラム構成要素をひとつにまとめることが可能になりました。大きな特長はその柔軟性にあります。同じLinuxベースのOSであれば、元の環境と異なる構成であっても、まとめられたアプリをスムーズに動かせます。

クラウドベースのサービスをリードするAmazon Web Services(AWS)は、この革新的な方式を継続的に取り込み、サポートを行っています。AWSではコンテナに格納されたアプリを展開し、管理し、最適化するための多彩なコンテナ関連ツールが提供されています。その中心にあるのが、AWSのElastic Container Service(ECS)とFargateです。

コンテナ化とは

AWSのコンテナツールを理解するには、まずコンテナ化の仕組みを把握することが大切です。イメージとしては、プログラムコードや周辺要素をひとまとめにして安全に包み込むような仕組みと考えてください。これによって、異なるOS環境でも安定したパフォーマンスを発揮できる点がこの技術の真髄です。共通のカーネル層を通じて稼働するので、同じOS上であれば環境の違いを気にせず動かせます。

コンテナ化の利点は次の通りです:

  1. 一貫性: コンテナ化を採用すれば、どのプラットフォームでもアプリが安定して動作します。
  2. リソースの分離: 各コンテナが独立した環境で動き、必要なリソースをしっかり利用できるようになるため、重複や競合が減ります。
  3. 可変性: 負荷変動の大きいアプリに合わせて柔軟にコンテナ設定を変更しやすいことも特長です。

AWSのコンテナサービスを概観

AWSでは、コンテナ格納されたアプリをコントロールし、調整し、そして最適化するために設計されたさまざまなサービスを提供しています。その中核となるのがECSとFargateです。

Elastic Container Service (ECS): ECSはコンテナのオーケストレーションを行う仕組みを備えており、Docker環境と無理なく連携します。コンテナで守るアプリをAWS上で柔軟かつ円滑に運用できます。そのため、自前でオーケストレーションツールを保守したり、多数の仮想マシンを管理したりする手間が省けるのが魅力です。

Fargate: Fargateはコンテナ専用に設計された自立型のユーティリティで、ECSやEKS(Elastic Kubernetes Service)と連携して動きます。これにより、コンテナのための仮想マシンクラスターを構築・管理・調整する必要がなくなります。サーバー選択やクラスター構成の最適化などの面倒な作業から解放されることがポイントです。

ECSとFargateはいずれも独自の特長・メリットを備えており、アプリの要件やチームの好みによって最適な選択が異なります。本記事の以降のパートでは、コストや開発効率、柔軟性、セキュリティなどの観点からこれらのサービスを比較し、最適な選択を検討するための情報を紹介します。

まとめとして、AWSのコンテナサービス、特にECSとFargateは、コンテナで守るアプリを管理・スケーリングするうえで重要なパラダイムを提供します。コンテナ化のメリットを活かしたい企業や開発者にとって、これらのサービスを理解することは欠かせません。次のパートでは、これらの両サービスの違いをさらに詳しく見ていき、自社のニーズに合った判断に役立てられる情報をお届けします。

ECSを深く理解する

2014年、Amazon Web Services(AWS)はゲームチェンジャーともいえる「Elastic Container Service」(ECS)を披露しました。これはDockerコンテナを効率よく管理できる仕組みを提供し、大規模なクラスター上でアプリを実行・監視・運用する際に有用です。クラウドコンテナ内のアプリをAWS上で効率的に使えるよう設計されており、その柔軟性と高パフォーマンスが魅力です。

ECSのコアコンポーネント

ECSは次の基本要素から成り立ちます:

  1. タスク定義(Task Definitions): アプリの構成図のようなものです。CPUとメモリの使用量やネットワーク、そのほかDockerコンテナの要件を記述します。
  2. タスク(Tasks): タスク定義を具体化したもので、同じホスト上で動く1つ以上のコンテナ群です。
  3. サービス(Services): タスクの本数を常に一定に保つ役割で、もしタスクに問題が起きた場合は、それに基づいてタスクを新たに起動し、望ましい本数を維持します。
  4. クラスター(Clusters): リソースをまとめた集合体のようなもので、タスクを載せる土台になります。EC2インスタンスが複数含まれる場合もあります。

ECS導入のステップ

ECSを使う際は、まずアプリのDockerイメージを作り、ECSから参照できるレジストリにプッシュします。AmazonのElastic Container Registry(ECR)を活用すると便利です。その後、タスク定義を作成し、イメージの場所やリソース割り当てなどを指定します。

そのタスク定義を用いてクラスター内でタスクやサービスを起動すると、ECSはコンテナを効率よくスケジューリングし、不具合が起これば再起動し、必要に応じてスケール上げも行います。

ECSのネットワーク構成

ECSはDockerのネットワーク機能と連動し、AWSのVPCも利用できます。提供されるネットワークモードは以下の4種類です:

  1. None: 外部とコンテナ間でのネットワークアクセスが一切行われない独立モード
  2. Bridge: デフォルトのモードで、localhostを使って同じネットワーク上のコンテナ同士がやりとりします
  3. Host: コンテナがEC2インスタンスのネットワークを使用するモード
  4. AWS VPC: 各コンテナに固有のENIやプライベートIPアドレスが割り当てられるモード

ECSのタスクスケジューリング

ECSには、リソース管理を担当する2種類のスケジューラがあります:

  1. サービススケジューラ: ステートレスなサービスやアプリ向けで、あらかじめ指定された数のタスクが常に動くよう監視します。
  2. デーモンスケジューラ: ステートフルなジョブに向いており、各ホストでタスクを1つずつ動かす仕組みです。

ECSとAWSの連携

ECSはElastic Load Balancing(ELB)やAmazon RDS、AWSIAM、Amazon ECRなど複数のAWSサービスと統合しやすく、複雑なアプリ環境の構築を容易にします。データベースロードバランサー、アクセス権限といった要素を一括で設定できます。

ECSの料金モデル

ECSは従量課金制を採用しており、隠れたコストはありません。アプリを稼働させるために使用したEC2インスタンスやEBSなどのAWSリソースに対してのみ費用が発生します。

要約すると、ECSはクラウド環境でコンテナを使った処理を管理する強力で柔軟かつ拡張性の高いオーケストレーターです。多彩なAWSサービスと連携できるため、AWSを利用している企業にとっては非常に魅力的な選択肢になります。

Fargateを理解する

クラウドソリューションが急速に進化する中、AWSのFargateは画期的な取り組みとして注目を集めています。これはAWSが打ち出した最新のサービスで、コンテナ運用手法を大きく変革する存在です。特にElastic Kubernetes Service(EKS)やElastic Container Service(ECS)と密接に連携し、コンテナ運用の新境地を築いています。

FargateのAWSエコシステムでの役割

Fargateの最大の特徴は、そのシンプルさにあります。インフラ構築やクラスター運用といった繁雑な管理業務を最小限に抑え、必要なコンテナだけを定義して起動できます。CPUやメモリ要件に応じてクラスターを調整したりサーバーを選定したりする必要がなくなるのです。

ECSやEKSと組み合わせることで、Fargateを使ったアプリ管理がさらに洗練されます。AWS OutpostsやApp Mesh、CloudMapなど他のAWSサービスともスムーズに連携します。

Fargateの仕組み

Fargateでは「タスク」という単位で処理が行われます。これはコンテナ群として起動される最小の単位で、Kubernetesにおける「Pod」に近い概念です。

Fargateは発生イベントに応じてENI(Elastic Network Interface)を動的に管理し、高度なセキュリティレイヤーやプライベートネットワーク、ルーティングを実現します。

Fargateでのタスク運用

Fargateを使ってDockerコンテナを動かすには、タスク定義をJSON形式で用意する必要があります。最大10個のコンテナ構成を指定でき、DockerイメージやCPU・メモリなどのリソース割り当て、ネットワーク、タスクで使うファイルのボリュームといった項目をまとめて記述します。

Fargateのセキュリティ

Fargateはタスク単位のIAMロールによって厳格なセキュリティを実現します。最小権限の原則に従い、タスクごとのアクセス権を必要に応じて絞り込みます。

さらに、タスクごとに異なるセキュリティグループを設定し、特定のネットワークトラフィックだけを許可できます。Dockerイメージのレポジトリも分けることで、イメージの分離や分析を簡単に行えます。

Fargateの料金

Fargateの料金は、コンテナで使われるCPUとメモリの量に基づいて計算されます。割り当てたvCPUとメモリの組み合わせに応じて、秒単位で課金される仕組みです。使った分だけ費用がかかるので柔軟性が高いと言えます。

総じて、Fargateはサーバーレスでコンテナを動かしたい場合に効率的なサービスです。インフラの管理から離れて開発に集中できるだけでなく、AWSに備わった強固なセキュリティ対策やコスト設計も魅力です。

AWS ECSの誕生由来

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2014年はAmazon Web Services(AWS)がソフトウェア開発領域に大きな衝撃を与えた年でした。新しく生まれた画期的なツール――Elastic Container Service(ECS)は、コンテナがもたらす可能性を広げるために構想されたものです。当時増えつつあったコンテナ技術を管理・最適化し、さらにセキュリティを守るサービスとして注目を集めました。

コンテナ技術の台頭

ECSが生まれる背景には、その時代におけるコンテナ技術の隆盛がありました。アプリを中核の機能やリソースごとまとめて、異なる環境でも動かすことのできるコンテナ化は、ソフトウェアの相互運用性を飛躍的に高める手段として注目されていました。しかし、コンテナの運用にはオーケストレーションやネットワーク、セキュリティ、モニタリングなど多くの課題があります。AWSはここに目をつけ、ECSという形で一括管理できるサービスを提供したのです。

AWS ECSの誕生

2014年に開催されたAWS re:Inventカンファレンスで披露されたECSは、Dockerコンテナとの連携がとてもスムーズなコンテナ管理プラットフォームとしてデビューしました。ユーザーはAmazon EC2で構成されたクラスターにアプリを展開でき、これまで面倒だったインフラ管理の多くをAWS側が担ってくれます。

ECSの特長をかいつまんで見ると:

  1. 簡素な運用: ECSを利用すれば、独自のオーケストレーションソフトや多数の仮想マシンを維持する負荷が軽減されます。
  2. AWSとの密接な連携: ECSはAWS LambdaやAmazon S3、Amazon RDS、AWS Fargate、AWS Identity and Access Management(IAM)など、他のAWSサービスともスムーズに連携します。
  3. 強化されたセキュリティ: コンテナ単位のきめ細かいアクセス制御やDockerのネットワーク設定を組み合わせることで、共有環境でも安全を守りやすいです。
  4. 容易なスケーリング: CPU使用率などの指標に基づいてアプリをスケールできます。Auto Scalingとの組み合わせでさらに自動化が進みます。
  5. 監視とログ: Amazon CloudWatchやAWS CloudTrailとの連携により、クラスターやコンテナの監視とログ管理が可能です。

ECSがもたらしたインパクト

ECSはコンテナを使ったアプリを自己管理型で拡張性のある形で運用できる手段として、業界に大きな変化を与えました。開発チームはインフラ管理から一部解放され、本来のアプリ開発に注力できるようになったのです。

その後、2017年にはFargateが登場し、EC2インスタンスさえ管理しなくてもコンテナを動かせるまでに進化しました。

こうしたECSの歩みは、多様なユーザーのニーズに柔軟に対応しようとするAWSの姿勢を表しています。現在もアップデートを重ねながら、機能強化が継続されています。

Fargateの誕生と進化

2017年、コンテナ化されたアプリを運用する上での複雑さを和らげるため、AWSはFargateという斬新なサービスを生み出しました。柔軟性のあるサーバーレスの仕組みを提供し、コンテナオーケストレーション手法に大きな変化をもたらしたのです。

Fargateの概要

Fargateが登場するまでは、ECSを利用する際もEC2インスタンスの選定や管理が必要でした。これによりシステム管理の深い知識が不可欠でしたが、Fargateはその概念を変え、開発者がインフラ責務を大幅に軽減できるようになりました。

FargateはECSやElastic Kubernetes Service(EKS)と連携し、サーバーレスな計算実行環境を提供します。必要なアプリ要件だけ定義すれば、必要なリソースをAWSが代わりに準備してくれます。

Fargateの進化の歩み

誕生以降、Fargateには以下のような重要な更新がありました:

  1. Fargate Spotの導入: 2019年末に追加された機能で、遊休のコンピューティングリソースを大きく割引した価格で利用できます。弾力性が高いワークロードに向いています。
  2. EKSとの統合: 同じく2019年末にEKSとの連携が実現し、KubernetesユーザーもFargateのサーバーレス環境を利用できるようになりました。
  3. Fargate Platform Version 1.4.0: 2020年4月にリリースされ、Elastic File System(EFS)のサポートやタスクストレージの拡張などが追加されました。
  4. AWS Local Zonesへの対応: 2021年、FargateはAWS Local Zonesにも対応し、遅延を抑えたローカル環境での運用が可能になりました。

Fargateがコンテナ管理へ与えた影響

Fargateの登場によって、コンテナを動かすアプリ開発の在り方が大きく変化しました。インフラに関する多くの煩雑さが解消され、アプリ開発に専念しやすくなったのです。

Fargateがもたらす具体的な利点としては:

  • タスク実行の単純化: インスタンスタイプの選択やクラスター活用などが自動化され、開発者の負担は少なくなります。
  • セキュリティの強化: 各コンテナが専用のコンピューティング環境で実行されるため、攻撃リスクを抑制できるメリットがあります。
  • コストのバランス: Fargateは必要に応じたリソース分だけ課金されるため、無駄がありません。
  • 効率性の向上: サーバー管理を任せることで、開発チームはコードやUX改善に集中できます。

以上からみても、Fargateはサーバーレス技術の中でもコンテナ管理を洗練させる手段として広く認知されつつあります。今後の進化も期待が高まります。

アーキテクチャ:ECS vs Fargate

Amazonによるコンテナ制御の発展を読み解く

コンテナを運用する技術領域は絶えず拡大しており、その姿をAmazon Elastic Container Service(ECS)やFargateといったプラットフォームが示しています。これらは仮想化された環境上でソフトウェアアプリを動かすための新たな方向性を示し、Amazonがコンテナ技術を再構築している様子がうかがえます。

ECSがもたらす利点

Amazon ECSの特徴として、強力な管理機能が挙げられます。Amazonの計算リソース上でアプリを円滑に動かす仕組みを備え、クラスターやタスク、サービス、タスク定義といった概念を使うことで効率よくコンテナを制御できます。これらはマイクロサービスにも柔軟に対応できる仕組みを提供します。

  1. クラスター: ECSの土台となり、Amazonの計算リソースを束ねてタスクを割り振ります。
  2. タスク: ECS基盤で管理され、複数のコンテナ間のコミュニケーションを調整します。
  3. サービス: ECSの動作効率を支え、クラスター内でのタスク実行をコントロールします。
  4. コンテナ制御レイアウト: ECSエージェントのアルゴリズムを用いて、効率的かつ安定したオペレーションを実現します。

ECSの構造を図解すると、おおむね以下のイメージです:

 
Principal Component
  |
  |---- Functional Area A
  |       |
  |       |---- Activity 1
  |       |       |
  |       |       |---- Container 1
  |       |       |---- Container 2
  |       |
  |       |---- Activity 2
  |               |
  |               |---- Container 1
  |
  |---- Functional Area B
          |
          |---- Activity 1
                  |
                  |---- Container 1

FargateというAmazonの先進的アプローチ

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一方のFargateは、Amazonにおけるコンテナ運用の大きな進化を象徴しています。EC2のクラスターという従来の概念を飛び越え、柔軟に構成できるモデルを貼り巡らせることで、管理者の負担を大幅に減らします。

FargateはECSのクラスターやサービス、タスクといった概念を踏襲しながらも、コンテナの裏で稼働するインフラに対してユーザーが手動で関わる場面を最小限に抑えています。

  1. クラスター: ECSの概念を継承しつつ、タスクやサービスを総合的にコーディネートします。
  2. タスク: Fargate環境ではタスクあたり1つ以上のコンテナを推奨し、パフォーマンスを高めます。
  3. サービス: タスクの実行をさらに最適化し、従来のECSに比べ詳細なコントロールが可能です。

Fargateの構成図イメージ:

 
Main Component
  |
  |---- Section A
  |       |
  |       |---- Process 1
  |       |       |
  |       |       |---- Container 1
  |       |       |---- Container 2
  |       |
  |       |---- Process 2
  |               |
  |               |---- Container 1
  |
  |---- Section B
          |
          |---- Process 1
                  |
                  |---- Container 1

ECSとFargateの主な長所・短所

ECSとFargateを選ぶ際、技術的な好みや既存の運用形態が分かれ道となります。ECSはEC2インスタンスを自由に操れるため細やかな制御が可能ですが、それなりの管理負荷も発生します。一方のFargateは自動化が進んでおり、手動管理を大幅に減らしますが、リソースへの直接アクセスは制限されます。

両者ともにクラスター・タスク・サービスといった概念を取り扱いますが、ECSではコンテナインスタンスに直接アクセスできる点が特徴的です。他方、Fargateはそれを必要最低限に抑え、構成のシンプルさを優先しています。

最終的な決定はアプリのニーズを総合的に見極めて行うのが賢明でしょう。

ECSとFargateでアプリを動かす

AWSのECSとFargateを使ってワークフローを改善する

大量のソフトウェアを扱う企業にとって、AWSのElastic Container Service(ECS)やFargateを取り入れることでワークフローの生産性を大きく向上できます。多彩なアプリをサポートする機能を備えており、活用次第で柔軟な開発環境を構築できます。ここでは、そのポイントを掘り下げます。

組み合わせる運用のイメージ

ECSあるいはFargateを使ってアプリを展開する場合、基本的な流れは共通しています。まずネットワークや各種設定を行い、その上でタスクを稼働させます。ECSを利用する場合、基盤としてEC2かFargateを選べます。EC2を使うならインフラを自社で管理し、Fargateならインフラ管理を大幅に省けます。

FargateではCPUとメモリを指定するだけでOKです。サーバー管理の多くを省けるため、アプリづくりや運用にリソースを集中しやすくなります。

アプリを起動する

環境の準備を終えたら、いよいよアプリの起動です。ECSではタスク定義(JSON形式)を用いて、Dockerコンテナやネットワークの設定、データの永続化などを指定し、必要なリソースを確保します。

Fargateの場合も同様にDockerコンテナや必要リソースを指定しますが、Fargate自身がインフラを自動調整してくれる点が大きな違いです。

アプリのパフォーマンスを評価する

起動後は、アプリの性能確認やセキュリティ対策、効率監視が必要です。ECSならCloudWatchを使ってモニタリングし、Auto Scalingで負荷量に応じて調整し、IAMロールで権限を制限できます。

Fargateにも同様の仕組みが備わっており、さらにインフラのスケーリングも自動で行ってくれるため、負荷変動の大きいアプリに向いています。

ECSとFargateでのアプリ運用の違い

観点 ECS Fargate
環境構築 EC2を使う場合、インフラの初期設定が必要 Fargateはインフラが自動で管理される
アプリ起動 タスク定義でDocker画像を指定しリソースを振り分け ECSと同様の手順だが、インフラ調整は自動化
アプリ監視 CloudWatchやAuto Scaling、IAMロール等を利用 ECSと同等機能を備えつつ、インフラ調整も自動

以上のように、ECSとFargateを使ってアプリを運用する際は、環境構築・アプリ起動・継続的なモニタリングという3つのプロセスを押さえておけばスムーズです。ECSは手動制御に優位性がある一方、Fargateはセルフマネジメントが際立ち、特に負荷の変動が激しいアプリには向いています。

ECSとFargateの設定・管理

Amazon ECSを活用するための手順

Amazon ECS(Elastic Container Service)はDockerベースのコンテナ環境をAWSクラウド上で支える優れた仕組みです。正しく理解して使うためには、タスク定義や各種設定の流れを把握することが欠かせません。

ECSの運用を始めるには、最初にタスク定義を作成します。これはJSON形式で書かれた指令書のようなもので、Dockerの接続情報、ネットワークの設定、CPUとメモリの割り当てなどを指定するものです。

以下はECSタスク定義の例です:

 
{
  "family": "sample-web-application",
  "containerDefinitions": [
    {
      "name": "application-part",
      "image": "nginx:latest",
      "cpu": 100,
      "memory": 300,
      "essential": true,
      "portMappings": [
        {
          "containerPort": 80,
          "hostPort": 80
        }
      ]
    }
  ]
}

このタスク定義をベースにサービスを作成すると、複数のタスクを同時に動かせます。もしタスクが落ちてもサービススケジューラによって速やかに再起動され、サービスを継続して利用できます。

さらに、ECSではAWSのIAMと連携することで、複数のプロジェクトやサービス間でセキュリティ権限を細かくコントロールできます。

Fargateを使うメリット: 構築からデプロイまで

Fargate最大の特徴は、サーバーレス構造にあります。ECSやAWS EKS(Elastic Kubernetes Service)と組み合わせることで、インフラ運用の多くを意識せずにコンテナ管理を行えるのが魅力です。

Fargateであれば、EC2クラスターを構築・維持する負担がありません。従来のECSと異なり、サーバーモデルの選択やキャパシティ計画をする手間も省けます。

Fargate用のタスク定義は、EC2を使用するECSのものとほぼ同じですが、EC2インスタンスを気にしなくてよい分だけ設定が簡単です。必要なCPUやメモリを設定し、ネットワークの細部やIAMを整えれば、Fargateが裏でリソースを調整してくれます。

こちらはFargateのタスク構成例です:

 
{
  "family": "sample-web-application",
  "networkMode": "awsvpc",
  "containerDefinitions": [
    {
     "name": "application-part",
      "image": "nginx:latest",
      "cpu": 256,
      "memory": 512,
      "essential": true,
      "portMappings": [
        {
          "containerPort": 80
        }
      ]
    }
  ],
  "requiresCompatibilities": [
    "FARGATE"
  ],
  "cpu": "256",
  "memory": "512"
}

Fargateなら、コンテナが使用するCPUやメモリの分だけ課金される仕組みです。未使用のリソースにお金を費やす必要がないため、コスト面でも効率的です。

ECSとFargateの比較

項目 ECS Fargate
タスク定義 必須 必須
サーバー管理 利用者がEC2を管理 Fargateが自動管理
スケーリング 手動もしくはAuto Scaling Fargateが自動実行
料金体系 EC2インスタンス使用料に依存 コンテナで使用したリソースに基づき課金
権限管理 IAMで制御 IAMで制御

まとめると、ECSもFargateもAWSでコンテナ化されたアプリをデプロイする強力な手段です。ECSは細かい制御ができる半面、運用の手間が大きく、Fargateは制御の自由度をある程度手放す代わりに自動化による利便性が高い、という特徴があります。

料金面で見るECSとFargate

ECSとFargateのコストを比較する

AWS上でアプリを運用するなら、ECSでもFargateでもコストは重要な要素です。どのように課金されるのかをあらかじめ理解しておけば、長期的な予算管理がスムーズになります。

ECSのコスト

ECSで発生する費用のうち、主となるのはAWSリソース利用分です。具体的にはEC2インスタンスやEBSボリュームがメインとなります。

  1. EC2インスタンス利用: オンデマンドやリザーブドインスタンス、スポットインスタンスなどの料金体系を工夫して利用できます。
  2. Fargate利用: ECSでFargateを組み合わせれば、コンテナが使用するvCPUとメモリ分で課金されます。

Fargateの料金構造

Fargateは基本的に利用した分だけ支払う完全従量課金です。タスクで割り当てたvCPUとメモリに応じて秒単位で料金が決まります。アプリの稼働時間やリソース使用量が変動する場合でも、無駄を減らせるのが利点です。

  1. vCPUコスト: 割り当てられたCPUコア数に応じて秒単位で課金
  2. メモリコスト: メモリ割り当ても同様に秒ごとで課金

ECSとFargateの費用比較

ECSとFargateを比較する際は、単純なリソースコストに加えて、管理費用や運用工数なども考慮します。

コスト要素 ECS Fargate
主要費用 AWSリソース使用分 コンテナに割り当てたvCPU・メモリ
追加負担 インフラ管理の人件費など インフラ管理の手間はほぼ不要
適した利用形態 頻繁に稼働するワークロード。リザーブドやスポットでコスト削減 負荷変動が大きいワークロード。使う分だけ支払う

つまり、ECSかFargateを選ぶかはアプリの稼働パターンやビジネスモデルに左右されると言えます。一定稼働の多いアプリはECSでリザーブドインスタンスを活用するとコスト面にメリットがあり、変動の激しいアプリにはFargateが向いています。

ECSとFargateのパフォーマンス評価

AmazonのFargateとElastic Container Service(ECS)の性能を比較・評価する際は、実際のメトリクス(指標)を把握することが役立ちます。これらの指標はアプリの最適なスケーラビリティやリソース割り当て、コスト効率の改善に直結するため、監視が重要です。

ECSのメトリクス

ECSの場合、Amazon CloudWatchを通じて複数の指標を確認できます。主にクラスターに関わる指標とサービスに関わる指標の2種類に分けられます。

クラスターに関わる指標

クラスター内リソースの利用状況を把握するため、以下の指標があります:

  1. CPU予約率と使用率: タスクで割り当てたCPUと、実際のCPU使用量を把握できます。CPU使用率が高いとCPUリソース追加を検討する目安になります。
  2. メモリ予約率と使用率: タスクが確保したメモリと実際の使用量を示します。多用されている場合はメモリ増設を検討すべきかもしれません。
  3. ストレージ容量: クラスターのボリューム状況を示します。残容量が少なければ拡張が必要です。

サービスに関わる指標

ECSクラスター内で稼働する特定のサービスに関しては、以下の指標を監視できます:

  1. 稼働中タスク数: サービスが現在動かしているタスクの数を確認し、不足がないか把握します。
  2. リソース使用状況: CPU・メモリ消費量が高すぎないか確認し、調整の判断材料にします。
  3. ネットワーク・ディスクI/O: タスクにおけるネットワークやディスクの入出力を追跡し、I/O負荷の把握に役立てます。

Fargateのメトリクス

FargateもECS同様、Amazon CloudWatchで指標を収集できます。ただし、Fargateはサーバーレス構造という点が大きな違いです。

タスク単位の指標

Fargateではとくにタスクレベルでの指標を監視することが中心となります:

  1. CPU使用率: タスクが利用しているCPUの割合を示し、コンテナのCPU負荷を判定します。
  2. メモリ使用率: タスクが確保したメモリの使用量を把握し、規定値を超えていないか確認します。
  3. ネットワークI/O: タスクが行う送受信量を測定し、ネットワーク負荷を推定します。
  4. ディスクI/O: タスク内でのディスク読み書き量をチェックし、ストレージの負荷状況を把握します。

ECSとFargateのメトリクス比較

ECSはクラスター単位やサービス単位で広範囲のデータを得られるのが特徴で、大規模アプリにおける総合的なパフォーマンスを把握しやすいです。

一方、Fargateではタスク単位で詳細なリソース使用状況を拾えるため、タスクごとの負荷のばらつきが大きいアプリに向いています。

最適化のレベルや求める可視化の詳細度によって、ECSかFargateかを使い分けるとよいでしょう。

スケーラビリティと可用性:Fargate vs ECS

クラウドサービスを検討する際、増大するトラフィックへの対応力と安定稼働は重要な評価ポイントです。AWSのコンテナサービスであるFargateとECSは、それぞれ異なるアプローチながら拡張性と可用性を高める仕組みを提供します。

スケールアップへの対応:ECS vs Fargate

多くのユーザーや処理量の急増(スパイク)に対して、必要リソースを増やすのがスケーリングの基本です。AWSのコンテナサービスも同様の考え方で設計されています。

ECSのスケール戦略

ECSでは水平方向および垂直方向のスケーリングが可能です。前者はクラスター内のコンテナインスタンス数を増やし、負荷を分散します。後者は既存のインスタンスに割り当てるCPUやメモリを強化し、パフォーマンスを高めます。

また、ECSは自動スケーリング機能を持ち、CPUやメモリなどのメトリクスをもとにインスタンスの数を調整します。ユーザーが定義したしきい値を超えると自動でインスタンスを追加してくれる仕組みです。

Fargateのスケール戦略

Fargateはサーバーレスなので、インフラ調整は基本的にAWSが担当します。タスクやサービスを起動する際に必要なCPU・メモリを指定すれば、Fargateが自動的にリソースを振り分けてくれます。手動操作をほぼ必要としません。

可用性の確保:ECS vs Fargate

安定してアプリを使えるようにする可用性は、ビジネスを左右するほど重要です。AWSのコンテナサービスも高い可用性を担保します。

ECSの可用性

ECSはタスクを複数のアベイラビリティゾーン(AZ)に分散配置できます。もしあるAZで障害が発生しても、別のAZでタスクが継続される仕組みです。また、サービスディスカバリー機能を使えば、タスク同士が動的にお互いを見つけて通信できます。

Fargateの可用性

FargateもECS同様、複数のAZを跨いだタスク配置が可能です。ただし、インフラ管理はFargate任せなので、ユーザーがコンテナインスタンスの安否を気にする必要はありません。

結局のところ、ECSはコントロール性と可用性の柔軟な設定が魅力ですが、Fargateはインフラ負荷をユーザーに担わせないというメリットがあります。

ECSとFargateのセキュリティ機能

クラウド環境を選ぶうえで、セキュリティは非常に重要です。AWSのElastic Container Service(ECS)とFargateはいずれも堅牢な仕組みを備えています。この章では、それぞれのセキュリティに関する特徴を整理します。

Amazon ECSのセキュリティ

Amazon ECSはAWSのほかのサービスとしっかり連携し、下記の方法でセキュリティを確保しています:

  1. IAMロールとポリシー: ECSのタスクやサービスごとにアクセス権を細かく設定できます。
  2. セキュリティグループの活用: AWSが提供するファイアウォール設定によって、容易にトラフィックを制御できます。
  3. VPCとサブネット: アプリをVPC内で稼働させることで、安全性の高いコミュニケーションを実現します。
  4. データ暗号化: AWS Key Management Serviceと連携して、データを暗号化できます。
  5. CloudTrailのログ管理: すべてのAPIコールを記録し、監査や潜在的リスクの追跡に役立ちます。

Amazon Fargateのセキュリティ

FargateはECSやEKSと連携しつつ、サーバーレス構造ならではのセキュリティ特性があります:

  1. タスク単位での隔離: Fargateはタスクごとに独立したカーネル環境を持ち、相互干渉を抑えています。
  2. IAMロールとポリシー: ECSと同様にタスクレベルのアクセスポリシーを設定可能です。
  3. VPCとファイアウォール: VPCやセキュリティグループでタスクを保護し、通信経路を制限します。
  4. 暗号化サポート: 静的データと通信データいずれもAWS KMSなどを利用して暗号化できます。
  5. CloudTrailでのログ記録: ECSと同様に行動履歴をしっかり記録します。

ECS vs Fargateのセキュリティ比較

セキュリティ項目 ECS Fargate
IAMロール・ポリシー ✔️ ✔️
ファイアウォール管理 ✔️ ✔️
VPC・サブネット操作 ✔️ ✔️
暗号化 ✔️ ✔️
ログ監視 ✔️ ✔️
タスクごとの完全隔離 ✔️

両者ともセキュリティ面は充実していますが、Fargateにはタスクレベルでの完全隔離という大きな利点があります。高いレベルのデータ管理が求められるケースでは、Fargateを選択する価値があります。

まとめると、ECSとFargateはいずれも安全性の高い選択肢ですが、求める厳密度次第で使い分けが可能です。次の章では、ECSとFargateを選択するうえでさらに考慮すべきポイントをみていきます。

結論としての選択:ECSかFargateか

AWSにはElastic Container Service(ECS)とFargateという2つの強力なコンテナ運用プラットフォームがあります。どちらを選ぶかは、主にシステム要件やAWS活用の経験、利用リソースなどの観点によって左右されます。

要件から見るアプローチ

まずは自社のアプリに必要な要件を明確にしましょう。ECSはEC2インスタンスを自在にコントロールできるためカスタマイズ性が高く、特殊なシステム要件がある場合に向いています。ただし、設定と維持管理にはそれ相応のリソースと知識が必要です。

一方、Fargateはインフラ管理を大きく省きたい場合の味方です。インフラを気にせずコンテナだけを定義すればいいので、導入のハードルが低くなります。

技術的な知識レベル

AWSやコンテナオーケストレーションに精通している場合は、ECSのディープなカスタマイズやEC2管理を行いやすいでしょう。逆に、コンテナ技術にそこまで慣れていない場合は、Fargateが敷居を大幅に下げてくれます。

リソースの面

インフラを自分で構成するだけのスキルやリソースがあるなら、ECSを選ぶことで環境を細かくチューニングし、結果的にコストを抑えやすいケースもあります。

しかし、リソースに限りがあって、EC2インスタンスの管理に手間をかけたくない場合は、Fargateの従量課金モデルが有力な選択肢になります。

比較表

側面 ECS Fargate
制御レベル 高い 低め(自動化が主体)
運用の難易度 やや高い 低い
求められる技術知識 詳しいAWSとコンテナの知識 基本的な知識でOK
コスト 構成とリソース次第で変動 コンテナが使った分だけの従量制

最終的にECSかFargateかを選ぶには、自社アプリの特性・チームのスキル・予算などを冷静に判断する必要があります。

ECSとFargateの実用例

AWSのECSやFargateは、クラウド技術における革新を象徴するサービス群で、実際のビジネス環境に多大なメリットをもたらします。ここでは、いくつかのケースにおいて、どのように活きるかを簡単に触れます。

例1: マイクロサービスアーキテクチャの導入

複数の小さなサービスが連携するマイクロサービス構成は、ECSやFargateいずれにとっても好相性です。それぞれ独立したサービスをコンテナに格納し、HTTPなどの軽量プロトコルで通信します。

ECSでのマイクロサービス管理

ECSは洗練されたオーケストレーション機能があり、複数のEC2インスタンスにまたがるコンテナ配置を一元管理します。EC2リソースを活用しやすいので、大規模なオンラインショッピングサイトなど、サービス数が多岐にわたる場合でもスケーラブルに運用できます。

Fargate使いのマイクロサービス

Fargateの場合、インフラ負荷を軽減しつつマイクロサービスを展開できるため、特にスタートアップや小規模チームが素早くサービスを立ち上げたい場合に利点があります。

例2: バッチ処理ジョブ

大量データをまとめて処理するバッチジョブは、EC2インスタンスを動的に増減できるECSと相性がいいです。一方、リソース消費が不定期なバッチであればFargateの従量課金も魅力になります。

ECSによるバッチ処理

例えば金融会社が決算処理を夜間に集中させる場合、ECSを使ってバッチ用のタスクを自動起動し、必要時のみコンテナとEC2インスタンスを増やす構成が可能です。

Fargateでのバッチ処理

Fargateを使えば、リソース管理をほぼ意識せずにジョブを実行できます。ジョブの稼働時間や規模に関わらず、使った資源だけの課金で済むのが大きなメリットです。

例3: CI/CDパイプラインの構築

アプリの継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を実現するには、テストやリリースなどの一連のステップを自動化して頻繁に更新することが鍵です。

ECSにおけるCI/CD

ECSを使えば、ソースコードのビルドからテスト、デプロイまでを自動化するパイプラインを構築しやすくなり、アプリを更新しやすい体制が整います。

FargateでのCI/CD

FargateとCI/CDを組み合わせることで、インフラ部分を気にせずにコンテナを継続的にリリースできます。スケール調整まで自動で行ってくれるので、開発チームはコアな機能や品質向上に注力しやすいです。

要するに、ECSとFargateはどちらも広範な場面で活用でき、アプリの特性やビジネス規模に合わせて柔軟に使い分けられます。

専門家の見解:Fargate vs ECS

AWSコンテナサービスを比較する:ECSとFargateの特徴

AWS内の代表的なコンテナサービスとして、Elastic Container Service(ECS)とFargateは開発・運用の両面で注目を集めています。似た部分もありますが、使い方によって向き・不向きがはっきりわかれます。ここではECSとFargateの違いや共通点を整理してみましょう。

ECS:安定したベテラン

2014年にリリースされたECSは、AWSに深く根ざしたコンテナ管理ツールです。豊富なAWSサービスとの統合がスムーズで、インフラを細かく制御したい利用者に愛用されています。

一方でEC2インスタンスを直接管理できる分、設定が複雑になりやすい面もあります。コンテナオーケストレーションの概要を理解していないと、導入時のハードルがやや高くなる傾向です。

 
# ECSタスク定義のサンプル 
{
  "family": "web-application",
  "containerDefinitions": [
    {
      "name": "web-container",
      "image": "nginx",
      "cpu": 100,
      "memory": 210,
      "essential": true,
      "portMappings": [
        {
          "containerPort": 80,
          "hostPort": 80
        }
      ]
    }
  ]
}

Fargate:新進気鋭の簡易性

Fargateは従来のEC2インスタンスなどの管理負担を取り去る形で設計されました。ユーザーはタスクやコンテナの定義に専念できるため、導入もスムーズです。

ただし、マネージド環境ゆえに、インフラを細部まで制御したいケースには向かない場合があります。とはいえ、多くの専門家が「運用の手間を抜きたいならFargateは有力候補」と評しています。

 
# Fargateタスク定義のサンプル 
{
  "family": "web-application",
  "networkMode": "aws-vpc",
  "requiresCompatibilities": [
    "FARGATE"
  ],
  "containerDefinitions": [
    {
      "name": "web-container",
      "image": "nginx",
      "cpu": 256,
      "memory": 520,
      "essential": true,
      "portMappings": [
        {
          "containerPort": 80
        }
      ]
    }
  ],
  "cpu": "256",
  "memory": "0.52GB"
}

ECSとFargateの比較軸

エキスパートたちは、以下のような観点でECSとFargateを比べることが多いです:

比較ポイント ECS Fargate
コントロール インフラレベルまで詳細に操作可能 制限はあるが運用が容易
連携 AWSサービスと深く統合 ECS同様、AWSと連携
コスト EC2インスタンスの利用分に依存 コンテナが使った分だけ支払い
運用難易度 複雑になりやすい 抽象化されているためシンプル

最終判断

ECSかFargateかの選択は、アプリ要求や管理方針によって変わります。極力インフラを任せて開発効率を高めたいならFargate、カスタマイズの自由度を最大化したいならECSと考えるのが一般的です。こうした柔軟性の高さこそがAWSのコンテナサービスが支持される理由でもあります。

「どちらが万能か」というより、自社のユースケースに最適な手段を選ぶことこそ重要です。ECSとFargateはいずれも高いパフォーマンスを発揮しうるため、焦点はアプリやチームのニーズとの相性にかかっています。

FargateとECSに関するFAQ

AWSが誇る強力なコンテナ管理:ECSとFargate

ここでは、AWSのElastic Container Service(ECS)とFargateについてよくある質問を簡潔にまとめながら、それぞれの特徴を整理していきます。

ECSとFargateの特徴

ECSはコンテナのオーケストレーションを担うサービスで、Dockerのような環境を扱いやすくする一方で、追加の管理プラットフォームを省けるメリットがあります。

FargateはAWSの計算資源を管理するサーバーレス方式を組み合わせたサービスで、ECSやEKSと連携し、インフラ管理から開発者を解放してくれます。

ECSとFargateの長所・短所

Amazon ECS Amazon Fargate
サーバークラスターを監視する必要あり サーバーの維持管理は不要
インフラに対する高度な制御が可能 制御レベルは一部制限されるが扱いやすい
比較的安定した条件下での廉価運用に向く 負荷が不定期なワークロードにも柔軟対応

ECSとFargateの連携関係

実のところECSとFargateは代替ではなく相互補完する関係にあります。ECSで作成されたサービスをEC2ベースで動かすか、Fargateで動かすかを選ぶだけです。

アプリをどう走らせるか

ECSは基盤側の設計をしっかり行うシーンで有用です。一方、Fargateは突発的に高負荷がかかる場面で、インフラ運用を任せたいときに向いています。企業の運用負荷やアプリ形態に合わせて判断するとよいでしょう。

セキュリティ面

ECSはタスク単位のIAMロールを定義でき、Fargateはコンテナごとに分離された環境を用意します。いずれもセキュリティ水準は高く安心感があります。

総括すると、ECSもFargateも優秀なコンテナ管理サービスであり、用途や予算、要求性能にあわせて使い分けるのが合理的です。

ECSの導入手順

AWSのElastic Container Service(ECS)を使いこなすことで、自社のビジネスプロセスを大幅に向上させられます。Docker対応アプリを簡単にスケールできるため、運用効率が上がるのです。ここでは、ECSを導入して使いこなすまでのステップを順を追って説明します。

ステップ1: AWSアカウントの作成

まずはAWSアカウントを作成します。AWSの公式サイトから「Create AWS Account」をクリックし、画面の指示に従えば問題なく取得できます。

ステップ2: ECSクラスターの作成

アカウントを取得したら、AWSコンソールでECSへアクセスし、クラスターを作成します:

  1. ECSダッシュボードに入り、「Clusters」を選択
  2. 「Create Cluster」をクリック
  3. 「EC2 Linux + Networking」を選択して次へ
  4. クラスター名などを設定し、「Create」を押す

ステップ3: タスク定義の登録

クラスターを作成したら、次はタスク定義の登録です。JSON形式でDockerイメージや必要なコンテナリソース、ネットワーク設定などを細かく記述します。

  1. ECSの「Task Definitions」を開き、「Create new Task Definition」をクリック
  2. 起動タイプに「EC2」を選択して次へ
  3. Dockerイメージ、CPU、メモリ、ポートなど必要事項を入力し、確認後に「Create」

ステップ4: タスクの起動

タスク定義を登録したら、いよいよタスクを起動します:

  1. 対象クラスターを選択
  2. 「Tasks」→「Run New Task」をクリック
  3. 起動タイプに「EC2」を選び、作成済みのタスク定義を選択
  4. 最後に「Run Task」で起動

ステップ5: タスクのモニタリング

タスクが実行中になれば、CloudWatchなどを用いてCPUやメモリの使用状況を監視可能です。ECSコンソール上でもステータスを確認できます。

ステップ6: 削除とクリーンアップ

テストや開発が終わったら、不要なタスクやクラスターを削除し、コストを抑えます:

  1. ECSダッシュボードでクラスターを選択
  2. 「Delete Cluster」を実行

これらのステップを踏めばECSの力を活用し、Dockerアプリをスケール可能な形で運用できます。とはいえ、ECSはその多機能さゆえ、継続的に最適化やコスト管理を行うことが重要です。

Fargateでのデプロイ手順

AWSのFargateを利用してコンテナを動かすには、いくつかの手順を踏んで設定を進める必要があります。ここでは初期準備からアプリ稼働までの流れを簡単に説明します。

Fargateの準備

Fargateを使うためには、AWSアカウントと、AWS CLIの設定、Dockerで作成したアプリのイメージが必要です。

  1. IAMユーザーの用意: AWSコンソールのIdentity and Access Managementでプログラムアクセス権限を持ったユーザーを作成します。
  2. AWS CLIのセットアップ: ローカル環境にAWS CLIをインストールし、aws configureコマンドで認証情報を設定します。
  3. Dockerイメージ作成: Dockerfileを用意して必要なアプリを封入し、Docker HubやAmazon ECRにプッシュします。

タスク定義の作成

Fargateでは、タスク定義によりDockerイメージや必要リソース、ネットワーク設定などを決めます。JSON形式で記述し、ECSコンソールから「Fargate」を選択して作成します。

  1. ECSサービスを開き「Task Definitions」→「Create new Task Definition」
  2. 起動タイプに「Fargate」
  3. タスクサイズ(CPU/メモリ)やコンテナ定義(イメージやポート)を設定

クラスターの作成

Fargateでは「Networking only」を選んでクラスターを作成します:

  1. ECSの「Clusters」→「Create Cluster」
  2. 「Networking only (Fargate)」を選び、クラスター名を登録

サービスの起動

サービスはタスクが常に安定して稼働するよう維持する仕組みです:

  1. クラスターを選択し、「Services」→「Create」
  2. 起動タイプを「Fargate」に設定
  3. タスク定義とサービス名、タスク数を入力
  4. ネットワークやロードバランサー、サービスディスカバリを設定して作成

アプリのデプロイ

あとは、必要に応じてタスク定義の更新バージョンを選び、「Update Service」を行えばアプリがデプロイされます。

以上の流れでFargate上にアプリを展開でき、コンテナ単位でのスケーリングや自動調整など、Fargateの利点を活用できます。

ECSとFargateを活用するベストプラクティス

AWS ECSとFargateをより活かすヒント

AWSが提供するElastic Container Service(ECS)やFargateは、Dockerコンテナを管理しやすくするための有力な選択肢です。以下では、それぞれの導入をさらに最適化するためのポイントをいくつか紹介します。

ECSをより効率的に運用するために

  1. タスク定義を明確化: DockerイメージURLやCPU・メモリの割り当てなどは最低限にしつつ、必要な範囲をしっかり網羅します。
  2. Auto Scalingを活用: CloudWatchアラームをトリガーとしてタスク数を自動調整し、負荷に応じてリソースを最適化します。
  3. ヘルスチェックを導入: アプリの稼働状態を常時監視し、異常があれば早期にコンテナを再起動できるようにします。

Fargateの性能を最大化するために

  1. CPU・メモリの適切な割り当て: Fargateではコンテナごとのリソース割り当てがコストに直結するため、必要量を慎重に見極めます。
  2. Fargate Spotの活用: ワークロードが柔軟に対応できるなら、割安のFargate Spotでコストを抑えられます。
  3. コンテナのセキュリティ対策: タスク単位のIAMロールやVPCによる隔離を活用し、安全性を高めます。

ECSとFargateの比較表

項目 ECS Fargate
管理対象 EC2インスタンスを含むインフラ管理が必要 サーバーレスでインフラは不要
料金体系 EC2などの使用量に依存 コンテナのCPU・メモリ使用量に従量課金
スケーリング ECSの機能で自動対応可能 AWS側で完結する自動スケーリング
セキュリティ IAMロール、VPC、SGなど充実 ECS同様+タスクごとのIAMロール

結論

ECSとFargateはいずれもコンテナで守るアプリを安定的に動かすための強力な手段です。どちらを選ぶかは、自社のワークロード特性やチーム構成次第ですが、上記のベストプラクティスを押さえておくと、より効率良く運用できます。

AWSコンテナサービスの今後:ECSとFargate

Amazon Web Services(AWS)が提供するECSとFargateは、コンテナオーケストレーションの要として今後も進化が続くと考えられます。ビジネスのニーズが高度化するにつれ、軽快かつ強固なコンテナ管理の重要性が増しているためです。ここでは、ECSとFargateの将来像について見ていきましょう。

ECSの継続的進化

ECSはリリース以来、多くのアップデートを重ねてきましたが、今後も統合や拡張が見込まれます。AWSのツールチェーンとのさらなる結合により、例えばデバッグ機能の高度化や新しいデプロイオプションの強化、モニタリングやログ分析の利便性向上などが期待されます。

また、AWSのほかのサービスとの連携がより深まり、Lambdaなどのサーバーレス機能やS3などのストレージ系サービスと連携した新しいアプリ開発手法が生まれる可能性があります。

Fargateの発展

Fargateはサーバーレスの利点を活かしながら、さらに拡張される余地が大きいです。必要に応じて自動的にリソースを変動させ、コストやパフォーマンスを最適化する機能が磨かれていくでしょう。

また、セキュリティ面でもさらなる改善が見込まれます。アクセス管理や暗号化方式の強化、脅威検知機能の標準搭載など、高度なオプションを提供する可能性があります。

ECSとFargateの将来展望

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最終的な見解

総合すると、AWSのコンテナサービスであるECSとFargateは、ともに柔軟に進化し続けると予想されます。ECSのきめ細やかな制御を好む人もいれば、Fargateの手軽さを重視する人もいますが、AWSは両方のアプローチを強化し、ユーザーの選択肢となり続けるでしょう。自社の要件と照らし合わせ、最適なサービスを見極めることが重要です。

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