アプリの開発や設計を語る際、WebHook、API、WebSocketといった要素は欠かせません。これらが、各アプリとサーバ間のデータ交換方法を決定します。これらがなければ、デジタルプロダクトはデータを一地点から別の地点へ伝えることができません。
それぞれ同じ目的に向かってはいますが、使用される状況は異なります。効果的な利用のためには、各通信手段に適したシーンを理解することが重要です。
APIはHTTPベースのサーバと利用者間の仲介役を果たします。
APIを活用すると、ウェブアプリのデータはまずサーバ側で処理され、その後クライアント側のアプリで処理されます。用途に応じ、APIには3種類あります。 APIを利用する場合、その流れが実現されます。
APIは、機械やデバイス、アプリが互いにどのように通信するかを示します。
人が言葉で思いや意図を伝えるように、アプリや機械はAPIを利用して処理を行います。
ソフトウェアモジュール(または貴社のアプリ)とサーバの間に位置するAPIは、デジタルインフラ全体でデータがどのように交換されるべきかを指示します。
クライアントやサーバに届く前に、全ての送受信データがAPIを通過するため、APIセキュリティ対策を行うことが重要です。セキュリティが不十分だと、アプリ全体で処理の乱れが生じる恐れがあり、API内の悪意ある内容が重大な被害をもたらす可能性があります。
詳しく見ると、WebHookは単なる逆のAPIであり、APIとは正反対の動作をします。
サーバ間のプッシュ通知とも呼ばれ、一方のサーバが行った動作を他方に伝えることができます。この特徴から、各種アプリやソリューション間の連携に適しています。
WebHookを活用すれば、1つのアプリでイベントを起こし、別のアプリでその対応を行うことが可能です。
WebHookは非常に柔軟に利用でき、アプリの要件に応じて、メッセージ受信、決済処理、その他の更新などを通知できます。
WebSocketは、多くの実証済み通信プロトコルの1つで、双方向通信を実現します。1つのTCP接続で複数の通信路を確保し、途切れない双方向通信を可能にするため、状態を保持するプロトコルと言えます。
状態を保持するとは、通信がどちらか一方によって終了されるまで続くことを意味します。また、WebSocketの特徴として3ウェイハンドシェイクが採用されています。
アプリが使いやすいインターフェースや利用者との接点を求める際、APIは非常に適しています。モバイルやウェブでのCRUD操作、XMLやJSONを用いたデータ転送、頻繁なデータ更新がある場合、アプリ間の通信にAPIを利用するのが望ましいです。
APIリクエストは利用者から発せられるため、即時の応答が求められるアプリに向いています。
例 - ライブチャットアプリ、メッセンジャー、IoTデバイス、ウェアラブルデバイス
WebSocketは即時通信が求められるアプリに最適です。双方向通信を促進し、常時接続を維持することで、どこからでも情報交換が可能となります。
コラボレーションツールや連携を重視したアプリの場合、WebSocketの利用が効果を発揮します。
例 - モダンブラウザ、レポート作成ツール、データ可視化ツール、チャットアプリ
WebHookは、バックエンドの呼び出しに利用する際、その効率が際立ちます。
WebSocketのように常時接続を維持する際に生じる問題は、WebHookを用いることで解消されます。APIとは正反対の切断方式を提供するのが特徴です。
サーバ上で一方向のイベント駆動通信が求められるアプリの場合、WebHookの活用が最適です。第三者のアプリから簡単にデータを取得する必要がある時にも有用です。
WebHookの利用は、クラウドでアプリが運用される場合にも好まれます。
このようなアプリでは常時接続が必要なく、WebSocketでは実現が難しいためです。
例 - Discord Bot
アプリ設計の核心は、サーバとクライアント間の通信方法にあります。
この通信の効率がアプリの有用性を左右します。API、WebHook、WebSocketは、アプリ間で情報をやり取りする主要な手段です。特にIoTデバイスはAPIを多用するため、将来性が高いです。チャット中心のアプリ開発にはWebSocketが適しています。
要するに、イベント駆動型の通信が必要な際はWebSocketを検討し、まずアプリの開発要件を整理してから最適な通信手段を選んでください。いずれも同様の役割を果たしますが、利用シーンは異なります。
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