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JSON Web Token (JWT)

オンライン上でさまざまなデータをやり取りするなか、JWT (JSON Web Token) は先進的な方法として注目されています。これはコンパクトでWebフレンドリーな仕組みで、デジタル署名やメッセージ認証コード (MAC) の力を借りてクレーム (情報) を安全にやり取りできます。JWS (JSON Web Signature) 方式で署名を施すか、JWE (JSON Web Encryption) の手法で暗号化して運用することも可能です。さらに必要に応じて暗号化層を追加し、プライバシー保護を強化できます。

JSON Web Token (JWT)

JWTとは?基本を押さえる

JWTの概要: データを安全にやり取りするための優れた鍵

JWTは標準プロトコル (RFC 7519) で定義された独立性のある仕組みで、JSONオブジェクトを使って複数の当事者間でデータを受け渡します。デジタル署名によって送信データの完全な信頼性を担保し、HMACによる秘密鍵、またはRSAやECDSAを使った公開鍵/秘密鍵ペアで署名することが可能です。

暗号化を行うとJWTの機密性は高まりますが、実際には圧縮されたシーケンス形式のJWTが広く使われています。この形式はWebのURLやPOSTパラメータ、あるいはHTTPヘッダに埋め込みやすく、さまざまなシステム間でデータを守るうえでも有用です。

JWTをひも解く

一般的なJSON Web Tokenは、ピリオド (.) で区切られた3つのパートで構成されています。

  1. 最初の部分
  2. ペイロード (データ)
  3. 署名 (真正性の証明)

JWTの例は、xxxxx.yyyyy.zzzzz のようになります。

それではJWTの各要素をもう少し深掘りします。

最初の部分: ヘッダ

JWTのヘッダにはトークン種別 (ここではJWT) と、使用する署名の方式 (HMAC SHA256やRSAなど) が含まれるのが一般的です。

例えば下記のようになります。

 
{
  "alg": "HS256",
  "typ": "JWT"
}

このJSONオブジェクトはBase64Urlエンコードされ、JWTの先頭部分を構成します。

メインとなる部分: ペイロード

ヘッダに続く部分はペイロードと呼ばれる領域で、主にエンティティ (利用者など) の情報と補足情報を表すクレームが入ります。

例としては次のようになります。

 
{
  "sub": "1234567890",
  "name": "John Doe",
  "admin": true
}

この部分もBase64Urlエンコードされ、JWTの2番目の部分を形成します。

最後の部分: 署名

署名の生成は、ヘッダとペイロードを符号化したものと秘密鍵を組み合わせ、ヘッダで指定するアルゴリズムを使って認証の印を作る流れです。

HMAC SHA256アルゴリズムで単純化した場合の例は以下です。

 
HMACSHA256(
  base64UrlEncode(ヘッダ) + "." +
  base64UrlEncode(ペイロード),
  secret)

この署名部分によって、データが途中で改ざんされないことが保証されます。また、秘密鍵を使用したトークンであれば、JWTを発行した主体が正当であると示すことにもつながります。

JWTが機能する場面: データの直接検証

ユーザ情報が確認されたタイミングで、JSON Web Tokenが発行されます。機密な情報を内包するトークンであるため、慎重に守る必要があります。長期間の保存はなるべく避けるようにしてください。

ブラウザストレージなどにセッション情報を長期で保存するとセキュリティ上のリスクがありますので、控えることが大切です。

JWTの構造を理解する: 要点となる3つの部分

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JSON Web Token (JWT) はしばしば省略形のJWTと呼ばれ、認証情報を素早く安全にやり取りする手段として考え抜かれた仕組みです。JSON形式でまとまったデータのかたまりが、JSON Web Signature (JWS) 方式で署名済みの状態、またはJSON Web Encryption (JWE) で暗号化された状態として機能し、Message Validation Code (MVC) か暗号化を通じてデジタル署名や保護が施された認証情報を提供します。

JWTは、大きく分けて「先頭のヘッダ」「データを含むペイロード」「検証用の署名」の3要素から成り立っています。これらが一体となり、運用面とセキュリティ面の両方を支えます。

トークンの特徴 ― ヘッダ

JWTの先頭にあるヘッダ部分では主に2つのことを示します。1つはトークン種別 (ここではJWT)、もう1つはHMAC SHA256やRSAなど、どの署名方式を採用しているかという情報です。この情報をBase64Urlエンコードして、JWTの先頭部を形成します。

例えば、ごく単純なJWTのヘッダは以下のとおりです。

 
{
  "alg": "HS256",
  "typ": "JWT"
}

データを載せる ― ペイロード

JWTの2番めとなるペイロード部分には、実際の認証情報 (クレーム) が入ります。主に対象となるユーザなどに関する内容や追加情報などが格納されます。クレームは大きく「標準クレーム」「公開クレーム」「非公開クレーム」の3種類に分類できます。

標準クレームには「iss」(発行者)、「exp」(有効期限)、「sub」(主体)、「aud」(受信者)などが含まれます。これらは任意ですが、運用でよく使われるため便利です。

公開クレームはJWT利用者同士で衝突を避けるため、IANAのJWTリストに登録する、または衝突を避けた名前空間の下で利用するとよいでしょう。

非公開クレームは、当事者間で取り決めた独自の情報を共有するのに使われます。標準クレームや公開クレームのいずれにも該当しないものが含まれます。

こうした内容をペイロードとしてBase64Urlエンコードし、JWTの中央部分を形成します。

サンプルを挙げると次のようになります。

 
{
  "sub": "1234567890",
  "name": "John Doe",
  "admin": true
}

守りの要 ― 署名

JWTの署名を作るには、ヘッダとペイロード、さらに秘密鍵とアルゴリズム (ヘッダで指定) を組み合わせて行います。一度決めた形式に基づき、特定の手順で署名を生成します。

もしHMAC SHA256を使用するなら、以下のような式で署名計算をします。

 
HMACSHA256(
  base64UrlEncode(ヘッダ) + "." +
  base64UrlEncode(ペイロード),
  secret)

この署名によって、ペイロードが途中で改ざんされていないかを検証できます。また、公開鍵/秘密鍵ペアで署名している場合、その鍵を使ってトークン発行元の正当性も確認可能です。

まとめると、JWTの構造を正しく理解することは、その運用上の利便性やセキュリティを最大限に生かすために欠かせません。ヘッダ、ペイロード、そして署名の3要素による流れを把握することで、送受信される情報の正当性と完全性を守ることができます。

JWTのクレーム: ペイロードを読み解く

JSON Web Tokenの概要

JSON Web Token (JWT) は、ふたつの主体間でクレーム (情報) をやり取りする安全な手段として注目されています。これらのクレームはJSON形式でまとめられており、JSON Web Signature (JWS)方式で署名するか、JSON Web Encryption (JWE)方式で暗号化されて運ばれます。さらにデジタル署名やメッセージ認証コード (MAC) を使って完全性を追加し、場合によっては暗号化も可能です。

JWTにおけるクレームの内容

JWTでは、クレームは通常、ユーザ(主体)やアカウント情報、追加の文脈情報などを示します。これらのクレームはおおまかに以下の3つのカテゴリに分類されます。

  1. 標準クレーム: JWT仕様で定義されているクレーム群です。必須ではありませんが、相互運用性や利用価値を高めるために推奨されるものです。例: iss (発行者), exp (有効期限), sub (利用主体), aud (受信者)など。
  2. 公開クレーム: JWT利用者が自由に定義できるクレームですが、重複を避けるため、IANA JWT Registryへ登録するか、衝突を避けられる名前空間URLで定義することが望ましいです。
  3. 非公開クレーム: 当事者間でだけ通用する、カスタムされたクレームです。標準や公開クレームに該当しない独自情報を伝えます。

ペイロードの読み取り

JWTのペイロードはBase64UrlエンコードされたJSONオブジェクトであり、トークンをピリオド('.')で3分割したときの2番めの要素がそれに相当します。これをBase64Urlデコードすると、実際のクレーム情報が現れます。

下記の例では、デコード後のペイロードイメージが示されています。

 
{
  "sub": "1234567890",
  "name": "John Doe",
  "admin": true,
  "iat": 1516239022
}

ここでは sub が主体を表すクレーム、nameadmin はカスタムクレーム 、iat (発行時刻) は標準クレームの一例です。

クレームの検証

ペイロードをデコードしたら、次はクレームの検証に移ります。例えば発行者 (iss) が期待と一致しているか、有効期限 (exp) を過ぎていないかなどを確認するのが代表的です。

 
if (payload.iss !== expectedIssuer || payload.exp <= Date.now()) {
  throw new Error('トークンが無効です');
}

このように、クレームを正しくデコードして検証することで、ユーザの認証・認可を実現し、システム全体の安全性を高めることができます。

JWTのエンコードとデコードを簡単に把握する

JSON Web Token (JWT) のエンコードとデコードは、受け渡しデータの信頼性と完全性を支える重要な要素です。ここではその仕組みをわかりやすく整理してみます。

JWTのエンコード: 詳細な流れ

JWTのエンコードとは、JSON形式のデータを文字列に変換する作業です。大きく次の3段階を経て進みます。

  1. ヘッダの作成: JWTであることを示すトークン種別と、HMAC SHA256やRSAなどの署名アルゴリズムを含むJSONを準備し、Base64UrlエンコードしてJWTの先頭部分にします。
  2. ペイロードの生成: ここでは必要なクレームや任意のユーザ情報をまとめた小さめのJSONを作り、Base64UrlエンコードしてJWTの2番めの部分を形成します。
  3. 署名の付与: エンコードされたヘッダとペイロード、暗号鍵、指定アルゴリズムを用い、署名 (デジタル署名) を作成します。これがJWTの真正性を保証し、送信元を検証できます。

最終的には、Base64Url形式の文字列3つをドット (.) でつないだ形になります。URLやPOSTパラメータ、HTTPヘッダなど、さまざまな経路で扱いやすいため便利です。

JWTのデコード: 中身を取り出す工程

デコードは、エンコードの逆操作でトークンをJSON形式に戻すことを指します。手順は主に3つです。

  1. トークンの3分割: JWTをドットで区切り、ヘッダ・ペイロード・署名に分けます。
  2. Base64Urlデコード: 分割したうち、ヘッダとペイロード部分をBase64Urlデコードして、元のJSONを復元します。
  3. 署名の確認: さらに署名部分を、ヘッダとペイロード、秘密鍵を用いて検証します。改ざんがないかをチェックし、問題がなければ有効とみなします。

下記はエンコードとデコードの手順を対比した表です。

JWTを扱う手順 主な処理
エンコード 1. ヘッダの作成
2. ペイロードの生成
3. 署名の付与
デコード 1. トークンの3分割
2. Base64Urlデコード
3. 署名の確認

JWTのエンコードとデコードはデータの安全性を担保するうえで大きな役割を果たします。ただし、データはあくまでエンコードしているだけで暗号化しているわけではありません。そのため、機密情報をペイロードに含めない運用が強く推奨されます。

アプリを守る: JWT認証の実装方法

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アプリにJSON Web Token (JWT) 認証を組み込むことは、機微なデータやユーザ情報を守るうえで重要です。ここでは、おもな流れを追って解説します。

ユーザ認証フローを整備する

JWTを使ったユーザ認証を行うには、まず専用の認証フローが必要です。ユーザがパスワードを入力してログインを試みると、サーバー側でその情報を確認し、正しい場合はJWTを生成して返します。

 
var expressApp = require('express');
var jwtTokens = require('jsonwebtoken');
var app = expressApp();

app.post('/user_login', (req, res) => {
  // ユーザの認証処理

  const user = { id: 3 };
  const token = jwtTokens.sign({ user }, 'private-secret-key-granted');
  res.json({
    message: 'ユーザ認証に成功しました。このトークンを"Authorization"ヘッダに含めてください。',
    token: token
  });
});

app.listen(3000, () => console.log('ポート3000でサーバ起動中')); 

JWTの発行と送信

独自の認証システムは秘密鍵を用いてユーザ情報や追加データを含むJWTを生成します。そしてこのトークンをHTTPレスポンスやWebクッキーなどでユーザ側に渡します。

クライアント側でのトークン管理

受け取ったJWTはクライアント側で責任を持って保管します。ブラウザのローカルストレージやHTTPクッキーなどに保存するパターンが多いです。

 
// ブラウザのローカルストレージにJWTを保存
localStorage.setItem('jsonwebtoken', token);

// WebクッキーにJWTを保存
document.cookie = 'jsonwebtoken='+token;

APIを呼び出す際のトークン送信

APIエンドポイントを呼び出すときは、JWTをHTTPヘッダ (Authorizationなど) に付加します。サーバは受け取ったトークンを検証し、有効であればリクエストを処理します。

 
fetch('/secure_api', {
  method: 'GET',
  headers: {
    Authorization: 'Bearer '+localStorage.getItem('jsonwebtoken')
  }
});

サーバ側でのトークン検証

JWTを含むリクエストを受けたサーバは、署名を検証して正しいトークンかどうかを判定します。問題なければリクエストに応じ、それ以外の場合はエラーを返します。

 
app.get('/secure_api', secureToken, (req, res) => {
  jwtTokens.verify(req.token, 'private-secret-key-granted', (error, data) => {
    if (error) {
      res.sendStatus(403);
    } else {
      res.json({
        message: '成功です。保護されたデータにアクセスできました。',
        data: data
      });
    }
  });
});

function secureToken(req, res, next) {
  const authorizationHeader = req.headers["authorize"];
  if (typeof authorizationHeader !== 'undefined') {
    const auth = authorizationHeader.split(" ");
    const authToken = auth[1];
    req.token = authToken;
    next();
  } else {
    res.sendStatus(403);
  }
}

このように正しくJWTを扱うと、特定のリソースにアクセスできるのは認証済みユーザだけになります。ただし、JWTだけで完全に安心というわけではなく、他のセキュリティ施策との併用も大切です。

JWTの仕組み: 署名検証の重要性

JSON Web Token (JWT) の署名を正しく検証することは、データのセキュリティにおいて要となります。トークンに含まれる情報が改ざんされていないかを確認し、その正当性を担保するためです。

署名検証のプロセス

JWTは大きく ヘッダ、ペイロード、署名 の3つから成っています。署名は、ヘッダとペイロードの内容を秘密鍵とともに特定の署名アルゴリズムで変換した文字列です。こうした仕組みのおかげで、トークンが不整合なく維持されているか証明できます。

署名作成では、ヘッダとペイロードに秘密鍵を掛け合わせて得られたハッシュ値 (指紋のようなもの) をBase64Urlエンコードした結果がJWTの3つ目の部分になります。

署名を検証するときは、同じ手順を改めて実行して、計算で得られた値とトークン内の署名を比べます。両者が一致すればトークンが改ざんされていないとみなし、不一致であれば無効と判断します。

署名検証で使われる代表的なアルゴリズム

JWTでは、HS256やHS384、HS512 (HMAC + SHA-○○) と、RS256やRS384、RS512 (RSA + SHA-○○) といった署名アルゴリズムをよく使います。ヘッダから、どのアルゴリズムが用いられているかを参照できます。HMACでは秘密鍵が共有されますが、RSAでは公開鍵で検証し秘密鍵で署名する仕組みです。

秘密鍵が果たす役割

JWTの署名に使う秘密鍵は非常に重要な要素です。もし漏えいしてしまうと、攻撃者が正規のJWTを偽造し、不正アクセスに利用する危険があります。

秘密鍵は十分に推測しにくい長さの難解な文字列を用意し、厳重に管理することが大切です。トークンの内容には含めず、外部から触れられないように保護してください。

コード例: 署名検証の処理

Node.jsの jsonwebtoken ライブラリを例にすると、以下のようにトークン検証ができます。

 
const jwt = require('jsonwebtoken');
const secretKey = 'shatterproof-256-bit-secrecy';

const token = 'eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9.eyJzdWIiOiIxMjM0NTY3ODkwIiwibmFtZSI6IkpvaG4gRG9lIiwiaWF0IjoxNTE2MjM5MDIyfQ.SflKxwRJSMeKKF2QT4fwpMeJf36POk6yJV_adQssw5c';

try {
  const decoded = jwt.check(token, secretKey);
  console.log(decoded);
} catch(err) {
  console.error('トークンが改ざんされています:', err);
}

上記の例では jwt.check を使ってトークンを検証します。トークンが正しければデコードされたペイロードが返り、署名が一致しない場合などはエラーが発生します。

一連の流れから分かるように、JWTの署名検証はトークンの信頼性において欠かせないステップです。改ざんを防ぎ、正当な発行元であることを証明することで、アプリやユーザデータの安全を高められます。

ユースケース: JWTを使った実例

Web開発とユーザセッション管理を考えるとき、JSON Web Token (JWT) はしばしば頼れる選択肢になります。ここでは「QuickBuy」という仮のECサイトを例に流れを追ってみます。

ユーザ登録とログイン

「Jane Smith」というユーザがQuickBuyに新規登録すると想定します。氏名やメールアドレス、十分に強固なパスワードを送信し、サーバ側で正しいかどうかをチェックして安全なデータベースに保存します。登録が成功するとサーバはJWTを作成し、Janeの端末に返します。このJWTにはJaneに関する情報が含まれており、ざっくりと下記のようなペイロードです。

 
{
  "sub": "0987654321",
  "name": "Jane Smith",
  "admin": false
}

Janeがログインしようとした場合も、同様にサーバで認証を行い、正しければ新しいJWTが発行されます。トークンはクライアント側に大事に保管されます。

サイト内の操作

Janeが買い物かごに商品を追加する状況を考えます。設定されたJWTをAuthorizationヘッダに載せてサーバへリクエストします。受けとったサーバはこのJWTをデコードし、署名を確認してJane本人であることを証明します。

もし問題なければかごへの商品追加を処理し、その結果を返してフロントではかごの内容を更新します。

決済処理

支払い段階でも同じく、JWTをAuthorizationヘッダに添えてサーバに請求を出します。サーバはJWTを検証し、正当と認められれば決済処理を進め、結果を返します。かごの状態が注文完了に更新されます。

ログアウト

ログアウト時は、クライアント側で保持していたJWTを削除するだけです。サーバはステートレスに運用できる点もJWTの強みで、サーバ側でセッションを都度管理しなくてもかまいません。

以上の例からわかるように、JWTを使うとユーザのログイン認証からサイト利用、ログアウトに至るまでスムーズなフローが実現可能です。またサーバ側でトークンを保持しなくてよいので、セッション管理が軽量化されます。

JWTライブラリ一覧: ツールの選択肢を知る

JSON Web Token (JWT) を扱う際、生成・復元・検証を支援してくれるライブラリが多数存在します。開発の手間を軽減するためにも、よく使われるライブラリをいくつか紹介します。

さまざまな言語に対応するJWTライブラリ

以下のように、主要なプログラミング言語ごとにJWTライブラリが提供されています。

  1. Node.js向け jsonwebtoken: 生成・デコード・検証がスムーズにできるため、Node.jsのプロジェクトでよく利用されています。
  2. Python向け pyjwt: PythonでJWTを扱う場合に便利で、Python 2と3の両方をサポートしています。
  3. Ruby向け ruby-jwt: JWTの生成やデコード、検証が簡単にできるRubyのgemです。
  4. Java向け jsonwebtoken : JavaでJWTを扱う場面を広くカバー可能です。
  5. Go向け jwt-go: 軽量かつ高速にJWT関連の処理を行いたいときに便利です。

JWTライブラリに共通する主要機能

多くのJWTライブラリは以下のような機能を備え、開発を大幅にサポートします。

  1. トークン生成: カスタムクレームを組み込み、サッとJWTを発行できる機能。
  2. トークンのデコード: 生成済みのJWTを解析して、内部のクレームを取得する機能。
  3. トークンの検証: 署名の有効性や有効期限の確認など、改ざんや期限切れの判定を行う機能。
  4. 標準クレームのサポート: issuer・subject・audience・expirationなど、JWT標準クレームを簡単に扱えること。
  5. エラーハンドリング: トークン処理中に起こりうる各種エラーを捕捉できる仕組み。

ライブラリ選定時のポイント

JWTライブラリを選ぶときは、プロジェクトの要件に加えて以下の点を考慮すると良いでしょう。

  1. 使用言語: メインで使う開発言語に対応したライブラリを選択します。
  2. 使いやすさ: ドキュメントの充実度やサンプルコードのわかりやすさで、導入やトラブルシューティングの手間も大きく変わります。
  3. コミュニティの活発度: ユーザが多いライブラリは更新も頻繁で、問題が起きたときの情報も手に入りやすいです。
  4. セキュリティ: バグや不備への対処が丁寧か、セキュリティを意識した設計になっているかをチェックします。

総じて、JWTライブラリはトークンに関する煩雑な部分を肩代わりしてくれる便利な存在です。トークン生成・デコード・検証機能をまとめて利用できるので、アプリのJWT認証やセキュリティ強化をスムーズに行えます。

JWTとOAuthを比較する: 違いと使いどころ

Webセキュリティの分野では、JWT (JSON Web Token) とOAuth がよく話題に上がります。どちらも認証や認可に関連した技術ですが、その目的や構造は異なります。ここでは、JWTとOAuthを比較して、それぞれに合った使いどころを確認してみましょう。

JWTとは

JWTは、ユーザ情報やクレームを効率的にパッケージングし、署名を通じて信頼性を高める独立型のトークン方式です。トークン自体にすべての必要情報が含まれるため、ユーザ情報を再問い合わせする必要が少なく、認証や安全なデータ受け渡しに向いています。秘密鍵または公開鍵/秘密鍵ペアで署名できます。

OAuthとは

一方、OAuthはリソースへのアクセス権を他のサービスやアプリに一時的に与えるための仕組みです。ユーザがパスワードを教えることなく、自分の別アカウントへの限定的なアクセス権を第三者のサービスに渡す際によく利用されます。アクセスのためのトークンを用いる点はJWTに似ていますが、精度の高いアクセス制御が可能です。

JWTとOAuthをざっくり対比

  1. 目的: JWTはトークン自身の仕組みで、OAuthはJWTを含むさまざまなトークンを扱えるフレームワーク。JWTは認証、OAuthは他サービスのリソース利用許可 (認可) という性格が強いです。
  2. 保存方法: JWTは自己完結型でトークンそのものに情報が含まれます。OAuthはサーバ側でセッションを管理するケースも多く、追加の仕組みが必要です。
  3. セキュリティ: JWTは秘密鍵や公開鍵/秘密鍵ペアで署名されます。一方、OAuthはSSL/TLSなどの通信保護を前提とし、多段のアクセストークンを用いて守ります。
  4. 用途: JWTはユーザの認証やデータの安全転送向き。OAuthは第三者アプリに限定的なアクセス権を与えるようなシナリオにおすすめです。

JWT対OAuthのイメージ

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どちらを選ぶか

ユーザ認証を中心としたシステムを構築するなら、自己完結型で取り回しの良いJWTが有力です。逆に、貴社のサービスを第三者アプリと連携させたい場合はOAuthの導入が向いています。ユーザ本人がGoogleやFacebookなどの外部リソースにアクセス許可を委任するような場面では、OAuthが一般的です。

つまり、JWTとOAuthは用途が異なります。その特性を理解したうえで使い分けると、より安全かつ効率の良い設計につながります。

Redux×JWT: トークン管理のポイント

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Reactなどでユーザ情報の状態管理を最適化する

大規模なフロントエンド開発では、状態管理の手法がアプリ全体の使いやすさを左右します。ReduxはJavaScriptベースのアプリで欠かせない存在ですが、ユーザ認証に必要なJWTをReduxでどう扱えば効率的か、手順をまとめます。

認証の流れ: JWT×Redux

JWTが認証を担う流れはおおまかに次のとおりです。ユーザがログインするとサーバからJWTが返され、それをReduxの状態として保持します。その後のリクエストはこのJWTを使いユーザを判別します。

Reduxはアプリの状態を一元管理する仕組みです。取得したトークンをReduxに登録することで、アプリ内のあらゆるコンポーネントからアクセスしやすくなります。

ReduxステートにJWTを保存する

サーバがユーザを確認してJWTを発行したら、フロント側でReduxのアクションを呼び出してトークンを登録します。下記はサンプルコードです。

 
// Actionクリエータ
const saveToken = (token) => ({
  type: 'SAVE_TOKEN',
  payload: token,
});

// Reducer
const tokenReducer = (state = '', action) => {
  switch (action.type) {
    case 'SAVE_TOKEN':
      return action.payload;
    default:
      return state;
  }
};

この例では saveToken アクションにJWT文字列を渡し、tokenReducer が受け取って状態を更新しています。

ReduxからJWTを取り出す

Reduxに格納したJWTは、react-reduxuseSelector フックなどで簡単に読み出せます。

 
import { useSelector } from 'react-redux';

const UserInteractions = () => {
  const taken = useSelector(state => state.token);
  // ...
};

こんな感じで必要なコンポーネントへ取り込むと、トークンを参照できます。

JWTの更新

JWTには有効期限があるため、トークン刷新の仕組みも大切です。サーバから新しいJWTが返されたら、同様にReduxのアクションで状態を更新します。

 
// Actionクリエータ
const renewToken = (refreshedToken) => ({
  type: 'RENEW_TOKEN',
  payload: refreshedToken,
});

// Reducer
const tokenReducer = (state = '', action) => {
  switch (action.type) {
    case 'RENEW_TOKEN':
      return action.payload;
    default:
      return state;
  }
};

renewToken アクションによって新しいトークンが渡され、RENEW_TOKEN ケースで状態を刷新しています。

ログアウト時にトークンを破棄

ユーザがログアウトする場合はReduxに保持しているトークンを削除すれば区切りがつきます。以下のようにアクションを実行します。

 
// Actionクリエータ
const discardToken = () => ({
  type: 'DISCARD_TOKEN',
});

// Reducer
const tokenReducer = (state = '', action) => {
  switch (action.type) {
    case 'DISCARD_TOKEN':
      return '';
    default:
      return state;
  }
};

こうすることでトークンをReduxから消去できます。

このようにJWTとReduxを組み合わせれば、トークンの登録・取得・更新・削除まで一貫して管理でき、認証を伴うWebアプリでもスムーズに状態を扱えます。

エラーハンドリング: JWTの不具合にどう対処するか

JWT (JSON Web Token) はアプリケーションを支える重要な役割を担っていますが、その運用じたいにエラーが付きまとうことも珍しくありません。ここでは代表的なエラーの例と対処法を紹介します。

よくあるJWTエラー

JWTエラーが起こる背景は多様です。以下に主なものを挙げます。

  1. 署名不一致: トークンの署名が期待値と合わなくなるパターンです。秘密鍵の相違やトークンの改ざんが原因になりがちです。
  2. 有効期限切れ: JWTには期限があるので、期限を過ぎた状態で使えばエラーが出ます。
  3. 早期利用エラー: JWTの有効範囲開始前に使用してしまうと失敗します (nbfの扱い)。
  4. トークン形式不正: JWTがフォーマットを満たしていない場合に起きます。
  5. トークン未提供: リクエストにトークンが含まれていない状態もエラーになります。

エラーへの対応策

エラーが発生したら、それぞれのタイプに応じた適切な対処が必要です。

1. 署名不一致: トークンを破棄し、ユーザに再認証を促します。セキュリティ上、ここで安易に通さないようにします。

 
if (err.name === 'JsonWebTokenError') {
  res.status(401).send('不正なトークンです');
}

2. 有効期限切れ: 新しいトークンをもらうか、再ログインさせるかを案内します。

 
if (err.name === 'TokenExpiredError') {
  res.status(401).send('トークン期限切れです');
}

3. 早期利用エラー: トークンの使用開始時刻前はリクエストを認めない仕様にします。

4. トークン形式不正: フォーマットなどが逸脱している場合は再発行を促します。

5. トークン未提供: トークンを送っていない場合はまず送付を求めます。

エラー処理のベストプラクティス

  1. HTTPステータスコードを適切に使う: 401 (Unauthorized) など、状況に応じたコードで返すとわかりやすいです。
  2. 明確なメッセージ: ユーザにも開発者にも状況が伝わるように、わかりやすいメッセージを返しましょう。
  3. ログを取る: エラーの記録を残しておけばあとで原因分析しやすくなります。
  4. セキュリティを意識する: 詳細情報は安易に返さず、秘密鍵などの安全を損なう情報を含めないようにします。
  5. 共通ミドルウェアで対処: エラー処理を一括で行うと保守性が上がります。

このようにJWTまわりのエラーを上手く扱うことで、アプリの安定性と安全性が向上します。

JWTとモバイルアプリ: セキュリティのポイント

スマートフォンが主流の今、モバイルアプリのセキュリティはとても大事です。JWT (JSON Web Token) を活用すると高い信頼性を備えた仕組みが実現できます。

JWTとは: 簡単なおさらい

JWTは短い文字列でありながら、ユーザ情報を内包できるトークンとして機能します。署名によって改ざんを防げるので、APIを介した即時認証・データ受け渡しに向いています。

モバイルアプリでのJWTの役割

モバイルアプリでは、ユーザがログインするとサーバでJWTを発行し、クライアント側に戻します。その後のAPIリクエスト時にこのトークンを使ってユーザが正当なアクセス権を持つ人物かを確認します。

モバイルアプリにJWTを組み込む流れ

モバイルアプリとJWTの連携は以下の工程をたどります。

  1. ログイン: ユーザがパスワードなどの情報を送付し、サーバがそれを検証します。
  2. トークンの受け取り: サーバは正しいユーザと判定すればJWTを発行し、モバイルアプリへ返します。
  3. トークンの保管: モバイルアプリは受け取ったJWTを安全に保存します。
  4. トークンの使用: APIを呼ぶたびにJWTをリクエストヘッダなどに添付します。
  5. トークンの検証: サーバはJWTを検証し、有効ならリクエストを処理します。

JWTを堅牢に保つポイント

モバイル環境でJWTを利用する際には、以下のような注意点があります。

  • HTTPSの徹底: トークンの盗聴を防ぐためにも通信はHTTPSだけに絞ります。
  • 安全な保管場所: モバイル端末側でのトークン保管を慎重に行います。Cookieやローカルストレージの代わりに、さらに安全な仕組みがないか検討するとよいでしょう。
  • トークン有効期限: 有効期限を設定しておくことで、万が一トークンが漏れても被害を最小化できます。
  • トークンの更新: トークン更新フローを導入し、期限切れ時に自動で新しいトークンを取得できるようにするのが理想的です。
  • サーバ側でのチェック: トークンを受け取るたびに署名検証などの安全対策をしっかり行います。

JWTを使ったモバイルアプリの比較表

項目 JWT未導入 JWT導入
ユーザ識別 都度DB照会が必要で、パフォーマンスに負荷 トークンに利用者情報が入っているため、即時で判別可能
通信時のリスク ただのプレーンデータとして送るため盗聴の懸念 JWTにまとめて署名することで、改ざんリスクを下げられる
データ管理 DBで常に状態を追う必要がありセッション管理も複雑 トークンをデバイス側で保持するため、サーバの負荷が軽減

このように、モバイルアプリにJWTを採用することで、パフォーマンスとセキュリティの両面でメリットを得られます。

JWTのメリットとデメリット

JSON Web Token (JWT) は多くのシステムで活躍している一方で、向き不向きも存在します。採用の前に、長所と短所を検討することが賢明です。

JWTのメリット

1. 自己完結型・コンパクト

JWTはサーバ側にセッションを保持しないため、認証情報を含んだトークン自体が独立して動作します。データベースとの問い合わせを抑え、負荷を軽減しやすいです。

2. スケーラビリティに優れる

トークンが自己完結しているため、複数のサーバにまたがる大規模な構成でも、セッションの共有を気にせずに運用できます。

3. モバイルとの相性が良い

JSON形式で記述されるため、プラットフォームを問わず扱いやすく、スマートフォンのアプリでもスムーズに活用できます。

4. 実装が比較的シンプル

JSONベースなので扱いやすく、多くのライブラリが用意されています。導入しやすい点もメリットです。

JWTのデメリット

1. トークンサイズ

必要な情報を詰め込みすぎるとJWTが大きくなり、通信コストの増大や応答速度への影響が懸念されます。

2. 即時失効が難しい

一度発行したトークンが有効期限を迎えるまで使えてしまうため、盗まれた場合の対処が難しいです。サーバ側でブラックリストを管理する手間が増えます。

3. 実は複雑な面もある

表面的にはシンプルですが、署名や暗号化の扱いを誤ると深刻なセキュリティリスクが発生します。

4. 攻撃のリスク

サイバー攻撃においても、中間者攻撃 やXSSなどのリスクはゼロではありません。総合的なセキュリティ対策を講じる必要があります。

これらを踏まえたうえで、自己完結性・拡張性・モバイル対応・実装容易性などのメリットが魅力的であればJWTは選択肢に入りますが、即時失効やサイズの増大リスクなどは事前に考慮するとよいでしょう。

JWTリフレッシュトークン: セッション継続の仕組み

WebシステムでJWTを使うと、トークンの有効期間管理が課題になります。ここで役立つのがリフレッシュトークンと呼ばれる仕組みです。

JWTリフレッシュトークンとは

リフレッシュトークンは、通常のJWTが期限切れになったとき、新しいJWTを再発行するための鍵として使う補助的なトークンです。本来のJWTより長い寿命を持ち、切れたトークンを継続的に更新できるのが利点です。

これにより、ユーザが何度もログインし直す手間を減らし、快適に使い続けられるようにしながらセキュリティを保ちやすくなります。

JWTリフレッシュトークンの実装方法

リフレッシュトークンの簡単な流れは以下の4ステップです。

  1. ユーザのログイン時にJWTとともにリフレッシュトークンを発行
  2. 有効なあいだはJWTが認証と認可を担当
  3. JWTが期限切れになったら、リフレッシュトークンをサーバ側で検証し、問題なければ新しいJWTを再発行
  4. リフレッシュトークン自体も有効期限が切れたらユーザは再ログイン

これを繰り返すことで、ユーザが使い続ける限りスムーズに認証を維持できます。

リフレッシュトークン導入のポイント

JWTリフレッシュトークンを導入する際には、以下の点に注意が必要です。

  1. リフレッシュトークンの生成: ログイン時にJWTと同時に生成し、サーバ側にセキュアに保存する方法がよく使われます。
  2. 安全な保管: リフレッシュトークンをクライアント側でも安全に保管し、Cookieを使用する場合はHttpOnly属性を付けてXSS対策を強化します。
  3. 定期的な更新: リフレッシュトークンを使って新しいJWTを発行するタイミングを適切に制御します。
  4. 取り消し処理: ログアウトやトークン漏えい時には、サーバ側でリフレッシュトークンを無効化できる機構を整えます。

セキュリティ上の見通し

リフレッシュトークンを導入すると利便性は上がりますが、トークンの保管や取り消し処理の設計が肝心です。HTTPOnlyクッキーとして保存し、有効期限を持たせる、漏えいしたときに早期に破棄できる仕組みを組み込むなど、いっそう厳重に管理する必要があります。

まとめると、JWTリフレッシュトークンは「トークンの期限切れをうまく扱う」ための機能です。適切に使えば長時間のセッションを安全に維持しつつ、ユーザ体験の向上にもつながります。

JWTのセキュリティ対策: 実践的なポイント

JSON Web Token (JWT) を導入するにあたっては、いくつかの注意点を押さえておくと安全性がグッと増します。以下は代表的なセキュリティベストプラクティスの例です。

JWT自体への対策

JWTは認証のカギであるため、しっかり守る必要があります。以下のポイントが挙げられます。

  1. 通信はHTTPS限定: 平文のHTTPだとトークンが盗聴されかねないので、HTTPSで暗号化することが大前提です。
  2. 安全な保管先: ブラウザのlocalStorageやsessionStorageはXSS攻撃で読み取られる可能性があるため、トークンはHTTPOnly Cookieに保存するなど工夫を個別に検討してください。
  3. 短い有効期限: トークンの寿命を短めに設定し、リスクを最小化します。
  4. ログアウト実装: ログアウト時に手動またはサーバ側のブラックリスト管理などでトークンを早期に無効化できる仕組みがあると安心です。

署名検証を徹底する

JWTに含まれる署名は改ざん検知の要です。以下のように扱いましょう。

  1. 強力な鍵: 推測しにくい長い秘密鍵を使ってトークンを署名します。
  2. 検証必須: トークンを受け取るたびに必ず署名を確かめるロジックを入れてください。署名チェックを省くと、攻撃者に容易く改ざんされてしまいます。
  3. 非対称鍵アルゴリズム: RSAやECDSAなどの公開鍵/秘密鍵モデルを使うことで、署名用の秘密鍵を安全に隠しつつ検証用の公開鍵を広く配布できます。

JWTを運用するうえでの管理

アプリケーション全体でのJWT管理も非常に重要です。

  1. URLに載せない: JWTをURLパラメータとして送ると他者に漏れやすいため、ヘッダやCookieを使うのが安全です。
  2. 認証ミドルウェアを使う: JWT検証を行うミドルウェアを用意して、コードが散在しないようにします。
  3. エラー処理を整理: トークンが期限切れや不正な場合にどう対応するか、統一的にハンドリングします。
  4. ライブラリ更新: JWT関連ライブラリのバージョンが古いと脆弱性を抱えている可能性があるため、定期的にアップデートすることが重要です。

これらの対策を組み合わせることで、JWTを使った認証システムの安全性を高められます。セキュリティは一度整えたら終わりではなく、定期的な見直しと改善が大切です。

マイクロサービスでのJWT: サービス間セキュリティ

JWTはマイクロサービスを安全につなぐための柱

マイクロサービスアーキテクチャは柔軟性や拡張性、チーム間の分割作業がしやすいメリットがありますが、サービス間通信をどう守るかがネックになります。ここで登場するのがJSON Web Token (JWT) です。JWTを使うと互いに独立したサービス同士で安全に認証と認可を一貫して扱いやすくなります。

JWTは小さくまとめられたトークンで、署名を通じて改ざんを監視できます。サービス間通信で用いると、受信側のサービスは署名を検証するだけで送信元の正当性とメッセージ内容の無改ざんを確認できます。

また、JWT自体が自己完結型であるため、認証のたびにデータベース照会や他サービスへの問い合わせをする必要がなく、遅延が軽減しやすいです。

JWTをマイクロサービスに導入する流れ

一般的には、利用者がログインしてJWTを取得し、それを含めてサービス間のリクエストを行います。リクエストを受けた先のサービスは、JWTを検証し、問題なければリクエストを処理するといった仕組みです。

以下はNode.js環境でJWTを検証するCODE例です:

 
const jwt = require('jsonwebtoken');
const privateKey = 'your-exclusive-key';

function confirmJWT(req, res, next) {
  const securityToken = req.headers['x-auth-token'];

  if (!securityToken) {
    return res.status(403).send({ authorized: false, message: 'トークンがありません。' });
  }

  jwt.verify(securityToken, privateKey, (error, decoded) => {
    if (error) {
      return res.status(500).send({ authorized: false, message: 'トークンの検証に失敗しました。' });
    }

    req.userId = decoded.id;
    next();
  });
}

サービス間通信でのJWTの役割

マイクロサービスでは利用者認証だけでなく、サービス自身が別サービスにアクセスする場面もあります (サービス間認証)。JWTにサービス側の情報を載せて発行し、受け取ったサービスはそれをデコードして送信元の確認ができます。

マイクロサービスJWT導入時の注意点

JWTの秘密鍵を安全に管理する必要があります。漏れてしまうと不正トークンを自由に作られる恐れがあります。また、トークンの有効期限を短めに設定し、更新リクエストに応じられる設計を整えることも重要です。

こうしてJWTを使うと、マイクロサービス同士の通信をセキュアに保ちつつ、パフォーマンスも損ねにくい構成を実現できます。

JWTの有効期限管理: トークンのライフサイクル

WEBサービスでよく使われるJWTには有効期限が設定されます。その期限をどう管理するかはセキュリティとユーザ利便性の両面に直結します。ここではJWTの有効期限の扱い方を整理します。

JWTの期限の仕組み

JWTにはペイロード内にexpという項目があり、これを使って「いつまでトークンが有効か」を定義します。Unixタイムスタンプ(秒)で指定するのが一般的です。

トークン発行時にこのexp項目が未来の時刻に設定され、そこを過ぎると有効ではなくなります。期限切れのトークンを使おうとすると、サーバはエラーを返します。

JWTの有効期間を設定する

どのくらいの有効期間にするかは利用シーン次第です。機密性が高いサービスなら、たとえば15分程度と短く設定することが多いです。逆に低リスクなものなら1日など少し長めにし、ユーザの利便性を優先させる場合もあります。

Node.jsの場合、jsonwebtokenで発行するときに expiresIn を使って指定できます。

 
var jwt = require('jsonwebtoken');
var token = jwt.sign({ foo: 'bar' }, 'secretKey', { expiresIn: '1h' });

この例だと1時間でトークンは期限切れになります。

期限切れ時の処理

トークンが切れた状態でリクエストが来たら、サーバは「期限切れ」などのエラーを返すべきです。クライアント側はそれを受けて再ログインを要求したり、別途用意したリフレッシュトークンを使って自動再発行したりします。

Node.jsの例:

 
var jwt = require('jsonwebtoken');

jwt.verify(token, 'secretKey', function(err, decoded) {
  if (err) {
    if (err.name === 'TokenExpiredError') {
      // トークン失効時の処理
    } else {
      // その他のエラー
    }
  } else {
    // 正常に検証できた場合
  }
});

リフレッシュトークンの活用

期限切れを緩和するテクニックとして、リフレッシュトークンを導入する手段があります。メインのJWTが切れても、リフレッシュトークンが生きていれば新しいJWTを発行し、ユーザは再度ログインをしなくても利用を継続できます。ただし、リフレッシュトークン自体の保好き先や取り消し手順を慎重に設計する必要があります。

JWT期限管理のポイント

  1. 適切な期限設定: サービスのリスクに合わせてトークンの寿命を決めます。
  2. リフレッシュトークンを活用: ユーザが頻繁に再ログインしなくても済むようにしつつ、セキュリティも担保できます。
  3. エラー処理の整備: トークン失効時にはわかりやすいエラーを返し、クライアント側で再認証を求めるなどのフローを用意します。
  4. リフレッシュトークンの取り消し: ログアウト時や漏えい時にはリフレッシュトークンごと無効にする仕組みがあるとなお安心です。

このようにJWTの期限管理を適切に設計することで、貴社のサービスはセキュリティと使いやすさを両立できます。

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更新日:
February 25, 2025
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