レスポンシブで多機能なIMアプリを一から構築する際、最適なメッセージングプロトコルの選定が最も重要な課題となります。以下、両者の特徴を数分で解説します。
本記事では、XMPPプロトコルとWebSocketについて、実用的な知識を提供します。各プロトコルはそれぞれ特徴があり、即時通信の実現方法も異なりますが、メリットとデメリットがあります。
サーバとクライアント間でXML断片を交換するために使われるXMPPは、初期のオープンスタンダードプロトコルの一つです。20年以上の歴史があり、効果的に使うには適切なトランスポートバインディングが必須です。
OSIモデルでは、XMPPは主にアプリ層で動作し、XMLの構造や構文を扱います。送信にはHTTPやTCPなど、トランスポート層のプロトコルの助けが必要です。
eXtensible Messaging & Presence Protocolは、チャットアプリや音声・ビデオ通話、即時のテキストやリッチメディア送信、複数人のビデオ通話を伴う開発で主に使われます。
XMPPを使うと、IMアプリ開発において以下のような多くの利点が得られます。
XMPPは数多くの利点がある反面、欠点も存在します。
WebSocketは、現代のIMプロトコルで、持続的なチャネル上でサーバとクライアント間のバイナリデータとテキストデータの送受信を可能にします。
双方向、全二重、状態保持型であり、主に常時接続が必要なモバイルアプリで利用されます。転送中のデータ内容を定義するものではなく、チャット機能を完全に実装するには他のプロトコルのサポートが必要です。
WebSocketはHTTPベース技術で生じた送信の隙間を埋めるため設計されました。さらに多くの利点があり、WebSocketの主な利点を確認できます。
利点はあるものの、WebSocketにも注意すべき欠点があります。例えば:
両プロトコルの基本を理解した上で、XMPPとWebSocketを詳細に比較します。いくつかの重要な観点から両者の特徴を比べました。
セキュリティの簡単な評価は重要です。無防備なプロトコルを採用すれば、全体が危険に晒されます。XMPPは長い歴史の中で改良を重ね、セキュリティ面も強化されています。
XMPPでは個人の識別が必須で、メッセージとホストの両方が認証され、なりすましのリスクを防ぎます。迷惑メール対策にも効果を発揮し、
必要に応じてエンドユーザーが追加のセキュリティ層を設けることも可能です。
暗号化については、最初の暗号化は接続確立と認証開始時に行われ、SASLで完了します。接続が確立すると、クライアントとサーバ間の通信はTLS暗号化で保護されます。
一方、WebSocketのセキュリティは改善の余地があり、若いプロトコルとして、XMPPと同等の性能を得るには更なるアップデートが必要です。それでも、悪意ある侵入から守るのに十分な暗号化が施されています。
XMPPの基本的な運用は分散型ですが、WebSocketは集中型です。XMPPはクライアント・サーバモデルに基づき、クライアント同士の直接通信は行いません。WebSocketはAPIを利用し、クライアントとサーバが継続的に通信します。
XMPPは初期のプロトコルであり、APIとの互換性に欠けます。一方、WebSocketはAPI最適化されており、他プロトコルとの互換性が高いです。
WebSocketはコードやメッセージを用いることで、パースやバッファの問題を回避し、迅速なデータ転送を実現します。対してXMPPはバイナリデータの転送が煩雑です。
WebSocketはトランスポート層の拡張性に対応する一方、XMPPはアプリ層の拡張性が中心です。WebSocketでは40以上のプロトコルを追加できるのに対し、XMPPは柔軟性に欠けます。
どちらも高速な即時データ送信が可能ですが、WebSocketは集中型で継続的な通信を行うため、XMPPよりも速く動作します。XMPPはサーバとクライアント双方の認証がパフォーマンスをやや低下させます。
XMPPはWhatsApp、GTalk、Grindrなどのチャット機能内に組み込まれたアプリで利用されています。特に1対1のセキュアな通信やグループ通信が主要なアプリに好まれます。
Trello、Slack、DiscordはWebSocketを利用して構築された有名なアプリです。チームやリモートワーク環境など、持続的な接続が求められる環境に適しています。
WebSocketとXMPPはどちらもIM用に設計されていますが、採用するプロトコルはプロジェクトの要件に合わせる必要があります。大量のデータ送信と通信の継続が求められる場合はWebSocketがおすすめです。
一方、多くのプラグイン利用や高いセキュリティが求められる開発にはXMPPが最適です。まず開発目標を明確にし、それに沿ったプロトコルを選択してください。どちらも正しく使えば十分な性能を発揮します。
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